結論:ファイル名は 取引年月日_取引先_金額 の順に統一し、日付は yyyyMMdd(8桁)、金額はカンマなしの半角数字にします。
例:20261010_株式会社サンプル商事_110000.pdf
なぜファイル名のルールが必要なのか
2024年1月1日以降、メール・Web・クラウドサービスなどで受け取った請求書や領収書(電子取引データ)は、紙に印刷して保存するのではなく、データのまま保存することが必要になりました。保存の際には、改ざんを防ぐ「真実性の要件」と、すぐに見つけ出せる「可視性の要件」を満たす必要があり、可視性の要件の中心が次の検索要件です。
- 取引年月日・取引金額・取引先で検索できること
- 日付または金額の範囲を指定して検索できること
- 2つ以上の項目を組み合わせて検索できること
専用の保存システムを使わない場合でも、国税庁の「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」では、ファイル名に取引年月日・取引先・金額を規則的に入れて特定のフォルダに保存する方法や、索引簿(一覧表)を作成する方法で対応できることが示されています。つまり、ファイル名のルールそのものが検索要件への対応策になります。
おすすめのファイル名フォーマット
| 書類 | ファイル名の例 |
|---|---|
| 2026年10月10日受領・株式会社サンプル商事・110,000円の請求書 | 20261010_株式会社サンプル商事_110000.pdf |
| 書類の種類も入れる場合 | 20261010_株式会社サンプル商事_110000_請求書.pdf |
| 同じ日・同じ取引先で2通ある場合 | 20261010_株式会社サンプル商事_110000_請求書_2.pdf |
項目の順番に法的な決まりはありませんが、日付を先頭に置くと、エクスプローラーで名前順に並べるだけで日付順になり、期間ごとの確認がしやすくなります。
日付をyyyyMMdd(8桁)にする理由
- 範囲検索がしやすい:名前順に並べると日付順になるため、「2026年10月分」は連続した範囲として一目で確認できます。
- 前方一致で絞り込める:エクスプローラーの検索欄に「202610」と入れれば2026年10月、「2026」なら2026年の書類が抽出されます。
- 表記ゆれが起きない:「2026.10.10」「R8.10.10」「10月10日」が混ざると検索から漏れます。8桁固定ならルールが単純です。
- ファイル名に使えない文字を含まない:「2026/10/10」のスラッシュはWindowsのファイル名に使えません。
yyyyMMdd形式の詳しい説明は「yyyyMMdd形式とは?」をご覧ください。
金額・取引先名の統一ルール
| 項目 | おすすめ | 避けたい例 |
|---|---|---|
| 日付 | 20261010 | 2026.10.10 / R8.10.10 / 1010 |
| 金額 | 110000(半角・カンマなし) | 110,000円 / ¥110,000 / 110000 |
| 税込・税抜 | 社内でどちらかに統一 | 書類ごとにばらばら |
| 取引先 | 株式会社サンプル商事(表記を統一) | ㈱サンプル商事 と サンプル商事(株) の混在 |
| 区切り | _(アンダースコア)に統一 | スペース・ハイフン・アンダースコアの混在 |
- 「㈱」のような機種依存文字は環境によって検索や表示で扱いにくいことがあるため、「株式会社」と書くなど社内で表記を決めておきましょう。
- Windowsのファイル名には
\ / : * ? " < > |は使えません。 - どの日付を「取引年月日」とするか(請求書の発行日か、受領日か)も、社内のルールとして決めておくと迷いません。
ファイル名とあわせて必要なこと
- 保存先フォルダを決める:「電子取引」フォルダの下に年・月のフォルダを作るなど、保存場所を一か所にまとめます。
- 改ざん防止の措置:専用システムを使わない場合は、訂正・削除の防止に関する事務処理規程を定めて運用する方法が一般的です。国税庁がサンプルを公開しています。
- 索引簿という方法も:ファイル名を連番にして、Excelなどの一覧表(索引簿)に日付・金額・取引先を記録する方法もあります。
検索要件が不要になるケース
次の場合は、税務職員からのデータの「ダウンロードの求め」に応じられるようにしておくことを条件に、検索要件のすべてが不要とされています(2024年1月1日以後に行う電子取引)。
- 基準期間(個人は前々年、法人は前々事業年度)の売上高が5,000万円以下の事業者
- 電子取引データを出力した書面を、取引年月日その他の日付と取引先ごとに整理された状態で提示・提出できるようにしている事業者
ただし、検索要件が不要な場合でも、後から書類を探す手間は変わりません。ファイル名のルールを決めておくことは、税務調査対応だけでなく日々の経理業務の効率化につながります。
ご注意:本記事は一般的な情報の整理です。制度は改正されることがあるため、最新の要件は国税庁の「電子帳簿等保存制度特設サイト」や一問一答でご確認ください。個別の判断は税理士にご相談ください。
ファイル名の日付入力をミスなく続けるには
ルールを決めても、毎回8桁の日付を手で打つと「20261001」と「20261010」の打ち間違いや、全角数字の混入が起きます。InsertDateはInsertキーを押すだけで今日の日付をyyyyMMdd形式で入力するWindowsアプリです。エクスプローラーでファイルを選んでF2キーを押し、先頭でInsertキーを押せば「20261010」が入ります。受け取ったその日に保存・命名する運用なら、日付部分の入力ミスをなくせます(過去の日付で保存する場合は数字を修正してください)。
関連記事:Windowsでファイル名に今日の日付を入れる方法 · ファイル名の付け方ルール(ビジネス向け命名規則)
よくある質問
電子帳簿保存法でファイル名の付け方は法律で決まっていますか?
ファイル名の書式そのものは法律で決められていません。求められているのは取引年月日・取引金額・取引先で検索できることです。専用システムを使わない場合、これらを規則的にファイル名へ入れる方法が国税庁の一問一答で示されています。
ファイル名の日付はどの形式がよいですか?
yyyyMMddの8桁(例:20261010)がおすすめです。名前順に並べると日付順になり、「202610」のような前方一致で期間を絞り込めます。
金額は税込と税抜のどちらで入れますか?
どちらかに社内で統一してください。書類ごとに混在すると金額での検索が正しく機能しません。
検索要件が不要になるのはどんな場合ですか?
ダウンロードの求めに応じられることを条件に、基準期間の売上高が5,000万円以下の事業者や、出力書面を日付・取引先ごとに整理して提示・提出できる事業者は、検索要件が不要とされています。最新の要件は国税庁でご確認ください。
7日間無料で試せます
Insertキーを押すと、今日の日付がyyyyMMddで入力されます。Windows上のすべてのアプリで動作します。
InsertDateはWindows 10・11用のアプリです。スマホで読んでいる方は、PCでこのページを開くとそのままインストールできます。